<オンライントークイベント(zoom配信)>

2020年 12/12(土)17:00〜

●●色彩と反射のトピカ●●

〜 岡﨑乾二郎 新作画集『TOPICA PICTUS とぴかぴくたす』と新作絵本箱『Kur Kur Spinning under the earth  /  地の底のくるくる』の刊行をめぐって 〜

 

『TOPICA PICTUS とぴかぴくたす』は、岡﨑さんの人気シリーズ「ゼロサムネール」のうち、このコロナ禍に作り続けた138点を驚異の高密度カラー印刷で表現した新作画集です。どうぞこれをお手元にご視聴下さい。(トークイベントのみの購入も可)

『地の底のくるくる』は、初期作品「あさかみつけ」以来の形態造形という問題を、「ポンチ絵」シリーズでのドローイングとブレーキングによって新展開させた、立体絵本箱(これじたいが新基軸!)です。特別な紙とインクで作られています。

批評家としても話題豊富な造形作家・岡﨑乾二郎さんに、たくさんお話していただきます。

 

◎日時:2020年 12月12日(土) 17:00〜 

◎ゲスト:岡﨑乾二郎

◎聞き手:高橋明彦(金沢美術工芸大学教授)

◎参加費:1,000円(税込)

◎申し込み方法:

↓石引パブリックのオンラインショップからチケットの購入をお願いします。

★『TOPICA PICTUS とぴかぴくたす』(4,400円税込)を石引パブリックの店頭またはオンラインショップでご購入いただいた方は参加費無料!

↓チケット付き『TOPICA PICTUS とぴかぴくたす』のご購入はこちら

 

岡﨑乾二郎『TOPICA PICTUS とぴかぴくたす』

 

著者:岡﨑乾二郎

寄稿:中村麗、ぱくきょんみ

仕様:A4サイズ 124頁 上製 布張 表紙箔押し作品収録数:138点 本文オールカラー

 

¥ 4,400(税込)

 ※イベントはZoomのウェビナー機能を使ってのライブ配信になります。ご参加いただくには、インターネットに接続したパソコンやタブレット端末、スマートフォンが必要になります。


TOPICA PICTUS とぴかぴくたす について

岡﨑 乾二郎

 

絵画を類的存在として考えれば、絵画はどれも絵画であることにおいて同じ、とみなされもしよう。であれば、個々の絵画をなお制作しなければならない切実な動機も失われてしまう。人間という類に人という存在を還元してしまうと、個々の生のかけがえなさが失われてしまうのと同じである。つまり個々の絵が制作されなければならないのは、それぞれが類的存在としての絵画を超えた固有の問題=主題を抱えているからである。世界にさまざまな場所があり、無数の考えるべき問題=トピックがあるように、絵画はそれぞれ固有の問題、特別の場所に向き合って制作される。けっして他に換えることができない切実さがそこにある。(個々の絵を固有なものとして現前させる問題は無数にある、そしてこの無数の固有な場所、独自な問題のネットワークがこの世界を編み上げている、だから世界を一つの時間、空間に括ることは決してできないだろう。ゆえに世界は決して終わらない)。2020年の3月からアトリエに籠り、いままでになく集中し作品を制作した。絵画の制作とはその都度、異なる固有の場所を引き寄せ、そして探索することである。絵画が絵画でしかないこと、つまり絵画は絵画をおいてどこにも行けない、その条件に留まることがかえって絵画を通してどこにでも行けること、つまり絵画がなおそれぞれ固有の絵画でありうることの可能性であったことを強く実感した。

 

TOPICA PICTUS のTOPICA はアリストテレスの弁論術の書名(弁論はそれぞれ別の規範をもった場所=トポスにしたがっていると示した)より。

岡﨑 乾二郎(おかざき・けんじろう)

造形作家。武蔵野美術大学および京都精華大学客員教授。 1955年東京生まれ。1982年パリ・ビエンナーレ招聘以来、数多くの国際展に出品。総合地域づくりプロジェクト「灰塚アースワーク・プロジェクト」の企画制作、「なかつくに公園」(広島県庄原市)等のランドスケープデザイン、「ヴェネツィア・ビエンナーレ第8回建築展」(日本館ディレクター)、現代舞踊家トリシャ・ブラウンとのコラボレーションなど、つねに先鋭的な芸術活動を展開してきた。東京都現代美術館(2009〜2010年)における特集展示では、1980年代の立体作品から最新の絵画まで俯瞰。2014年のBankART1929「かたちの発語展」では、彫刻やタイルを中心に最新作を発表した。2017年には豊田市美術館にて開催された『抽象の力—現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜』展の企画制作を行った。2019年11月から2020年2月にかけて豊田市美術館でその作品と活動の全貌を紹介する個展『視覚のカイソウ』が開催された。長年教育活動にも取り組んでおり、芸術の学校である四谷アート・ステュディウム(2002〜2014年)を創設、ディレクターを務めた。主著に『抽象の力 近代芸術の解析』(亜紀書房 2018年)、『ルネサンス 経験の条件』(文春学藝ライブラリー、文藝春秋 2014年)、『芸術の設計—見る/作ることのアプリケーション』(フィルムアート社 2007年)。『ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ』(絵本、谷川俊太郎との共著、クレヨンハウス 2004年)。『抽象の力 近代芸術の解析』にて、平成30年度(第69回)芸術選奨文部科学大臣賞(評論等部門)受賞。


色彩と反射のトピカ ごあいさつ

高橋明彦

 

岡﨑さんは、何にも寄りかかることなく、自立している。独立独歩とか一本独鈷であり、様々な思考、理念、技術を持っているけれど、それは岡﨑さん自身から発せられ作られ配せられたもので、寄りかかるのとは絶対に違うと思うのです。このあり方を、たとえばドゥルーズ=ガタリ『千のプラトー』の序文「リゾーム」に、自由な生成変化・作動配列を表わして「早くあれ、たとえその場を動かぬときも」というかっこいいフレーズがありますが、それは回転して立つコマのイメージで、これこそ岡﨑乾二郎の……、などと誰かの思想になぞらえて分かろうとすることが、その寄りかかる典型例で、私なんかは実にいつも何かに寄りかかってばかりなので、このことはすごくよく分かるのです。 『TOPICA PICTUAS とぴかぴくたす』に収められたゼロサムネールのシリーズは、他の歴史的な絵画や物語などと関係を結んでいますが、それは対比や相対ではなく、反射という関係にある。反射は対象への依存ではなく独立し区別された配置であり、色彩もまたパステルカラーとかダルカラーとかいわゆる中間色でさえも決して何かの中間ではなく、それが固有の位置を持っているようなあり方、「色とは壊れた光である」(小林秀雄)、「色は美術において最も相対的な素材である」(J・アルバース)といったネガティブなイメージを一切寄せつけないようなあり方、なのです。そう思うのです。 このコロナ禍での制作について、場所を持つ色彩(ローカルカラー)について、視覚の欲望たる絵画の(しかし一望不能な)場所について、形態(複数の諸力の重なり)について、三体問題(決定不能な未来)とゆるやかな目的論(予期予感)について、歴史(様々に異なる時間秩序とその非同期性)について、さらには本の読み方(精読でも濫読でも誤読でもなく、反射としての)について、いろいろ(まさに!)、お話をうかがいます。TOPICA と PICTUS の PIC にて。どうぞご期待ください。

高橋明彦(たかはし・あきひこ)

金沢美術工芸大学教授。 1964年新潟県生まれ。東京都立大学大学院博士課程退学。専門は、日本近世文学の研究、およびマンガとくに楳図かずおの作品研究。中谷宇吉郎記念財団と加賀市「中谷宇吉郎雪の科学館」の協働プロジェクト「かがく宇かん」の研究員。主著に『楳図かずお論』(青弓社 2015年)、『近世奇談集成[1]』(高田衛との京都、国書刊行会 1992年)。『楳図かずお論』にて、2017年度(第40回)日本児童文学学会特別賞。


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